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TSUDAKOMA Looms for technical fabrics

1909年創業の津田駒は、シャトル織機の製造販売が主力であった時代から、衣類用途以外へも、ホースや焼却炉用集塵布などの資材織物製織のための機械を提供してまいりました。その後のレピア織機の時代を経て、ジェットルームが主力となった現在においても、それは変わりません。新たなテクノロジーによって、高度な生産要求にお応えし、より一層資材織物製織の世界を拡げます。

資材織物製織においても、設定条件の高い再現性や、ユーザーインターフェースによる数値入力を調整作業の主体とした取り扱いの容易さは、重要です。高度に電子制御化され利便性に富んだ津田駒のスタンダード仕様の織機をプラットホームとして展開される資材用織機は、その対象アイテムを高品質で生産できるだけでなく、省力化、労働安全衛生環境の改善といった要求にもお応えします。

現在、日本国内で毎年販売される津田駒の織機の約30%が、資材織物を製織しています。

素材いろいろ……

ポリアミド(PA),ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE),ポリテトラフルオロエチレン(PTFE,フッ素樹脂),ポリ乳酸(PLA),ポリトリメチレンテレフタレート(PTT),ポリアクリロニトリル(PAN,アクリル),ポリビニルアルコール(PVA,ビニロン),PAN系炭素繊維,ピッチ系炭素繊維,石英ガラス繊維,レーヨン,綿,麻(ラミー,リネン),ジュードなど

太さ(繊度)いろいろ……

たとえばウォータジェットルームにおいては、8 dtexから5,600 dtexまで極めて広範囲の製織実績があります。津田駒の織機の極めて高い汎用性が、極細から極太までの実に幅広い仕様展開を可能にします。

カタチいろいろ……

糸は単繊維を束ねた素直なカタチばかりとは限りません。津田駒の織機はさまざまなカタチの糸に対応いたします。

護る・防ぐ

地球規模での気候変動の中、私たちの生活は今までより以上に台風や集中豪雨による水害などの災害危機に晒されています。また、細菌やウィルスによる感染症、病害虫など、私たちはその活動を脅かすものに囲まれて生活しています。脅威から暮らしを守る最前線、その場にも津田駒の織機で織られた布が、共に居ます。

農作物用シェード(防虫網・寒冷紗)

農業は自然の恵みによって為せる業ではありますが、その一方では、自然の脅威から作物を防ぐたたかいでもあります。風雨,害虫,過度の日射……津田駒の織機も一緒にたたかっています。

土嚢

防災の現場などで用いられる土嚢(どのう)。フィルム状のフラットな糸による織物ですが、津田駒の織機はフラットヤーンも織りこなします。

医療用ガウン

医療最前線で働く医師や看護師を防衛する服のひとつにガウンがあります。その素材の生地生産も、津田駒の織機の活躍の場です。

蚊帳・網戸

 

デング熱,マラリア……蚊が媒介する病気の発生地域が拡大しています。エアコンが無かったころの知恵「蚊帳」の有効性や重要性が見直されています。天然繊維糸から合成繊維糸まで、津田駒は素材にあった製織手段を提供できます。

津田駒のエアジェットルームZAX001neo,ZAX9200i またはウォータジェットルームZW8200,ZW8100 での製織が可能です。綿,スフ紡績糸~合繊糸,細番手~太番手,モノフィラメント…… 糸種に応じ細やかな仕様選択, 用途専用装置の付着が可能です。

《PPフラットヤーン用ウォータジェットルーム》


絞りロール脱水機構,専用クランパ,専用オサ倒れ角,ヒートカッター,別巻装置など……フラット糸用装置搭載。測長貯留部分は、フィーダタイプもベルト式も選択可能です。フラット糸用織機においても、APRヨコ糸自動補修装置の装着が可能です。

運ぶ・動く

直近30年で自動車の普及率は倍増しており、全世界での保有台数は13億台を超えました。(2019年)、2050年には20億台も超えるかもしれないといわれております。
自動車に不可欠なタイヤ部品、ドライバーの安全性を高めるエアバッグ、快適なドライブを支えるシート基布。これらの製織にも津田駒の織機が用いられています。

たとえば自動車のエアバッグ。裁断して縫製するのが前提の基布を織るのであればウォータジェットルームは最も合理的な手段です。はじめからある形状に袋織しようというサイド窓用OPWエアバッグなら、エアジェットルームが有力かもしれません。津田駒は、エア・ウォータ二通りの提案が可能です。

エアバック基布・OPWエアバッグ

コーティングものからノンコートの超高密度の規格までニーズに応じて、開口装置の選択が(クランク開口〜専用積極カム開口、その開口静止角も各種)可能です。

ベルト基布

動力を伝達するベルトには、効率や耐久性を目的として織物基布材が用いられます。研磨ベルトやコンベアなどでも同様です。高強度基布の製織にお応えします。

タイヤ部品(コード・チェーファ等)

自動車のタイヤには安全性,好燃費,静粛性,乗り心地などの様々な性能が求められます。繊維でつくられる構造部品もそれらの実現に役目を果たしています。
各部品の製織に応じた仕様の織機をご提供できます。

《タイヤコード用エアジェットルーム》


タイヤコード用のZAX9200iTCです。極めて高速でのタテ糸シート送出,ヨコ入れ,タックイン耳形成,大径巻取……タイヤコード製織に必要なすべてを備えた専用機です。最高製織スピードは1,000 rpmに達します。

今や「エコバッグ」として定着した薄手合繊織物による買物袋、重厚な綿帆布を素材としたトートバッグ、太番手合繊オックスフォード生地の高耐久性カバン地、PVCコートのターポリン布による防水バッグ……大切なものを運ぶ、そのカバンは津田駒の織機で織られたものかもしれません。

買物袋(エコバッグ)

ビジネスカバン・旅行カバン

トートバッグ

防水バッグ

強く・軽く

強さと軽さを兼ね備えた炭素繊維織物は、頑丈なものほど重いという従来の常識を一変させました。その用途は航空宇宙産業から橋梁、道路補強などの建設産業、スポーツ、レジャー用品産業まで、どんどん裾野が拡大しています。津田駒は織機を通じて各産業の発展に貢献いたします。

カーボン・ガラス

《CR3300 レピアルーム》


CR3300レピアルームは、炭素繊維やあるいはアラミド繊維,ガラス繊維などの複合織物を対象とした織機です。ガイドレス/スレー走行の片側バンドレピア機構で、ヨコ入れ中間での糸の受け渡し無く、150cm〜210cmの織巾(100cm × 2パネルの二巾取も可能)で、1K〜48Kまでを確実に織りこなします。カーボンフライによる火災事故を防ぐ防曝仕様の電装品、タテ糸供給クリール(転がし式、ブレーキ付)、専用テンション台などを装備。開口は積極カムで、1/1平組織のみならず、賦形性の観点から綾組織が必要となる場合などにも対応可能です。ヨコ糸供給は、通常型のフィーダタイプと扁平糸でも解舒撚れの入らない特殊フィーダからお選びいただけます。

炭素繊維やガラス繊維は、いずれも糸の伸縮性が極めて乏しいという共通点があります。糸自身が伸縮性を持たない場合、製織の難易度は高くなります。またいずれも強度の高い繊維ゆえ、たとえばカッタひとつとっても、一般的な衣料織物アイテムとは異なる対応が必要です。津田駒はさまざまなご要望にお応えしてまいります。

暮らしを快適に

カーテンを開け光を取り入れる。エアコンのスイッチを操作する。
レストランのテラスでランチタイム。
休日は家族とDIY。
バスタイムにボディソープを泡立てる……

津田駒の織機は、衣類服飾の主役を担うだけでなく、住環境の様々な生活資材の供給にも欠かせない存在です。

モノフィラメント糸フィルタ

モノフィラメント糸による電器製品,換気装置などの粉塵除去フィルタにおいて、太番手(280 dtex程度)から細番手(22 dtex程度)まで、幅広く対応します。

洗身用ボディタオル(あかすり)

浴室で使われる石鹸を泡立てるあのタオル、津田駒の織機で製織可能です。

養生テープ・粘着テープ

樹脂フィルム糸でも、合繊フィラメント糸でも、スフ紡績糸でも、様々な糸素材によるテープの基布製織を津田駒は支えます。

オーニング(日除け)・テント

軒先のオーニングや屋外の簡易倉庫テントなど、身の回りに意外に多いターポリン布。もしかしたら津田駒の織機で織られたものかもしれません。

ティーバッグなど

もともと極薄地の紗製織に好適なポテンシャルを有する津田駒の織機の特性を活かし、食品,飲料フィルタ製織用途に充てていただくことも可能です。

 

 《ZW8200 ウォータジェットルーム》


1,000 rpmを上回る高い生産性を高品位で実現可能です。水飛散の少ない高収束性のノズルにより、メッシュの目を乱すことがありません。長尺で採る必要が多いフィルタ資材に照準を合わせ、衣料等一般織物仕様よりも大径の機上布巻にも対応します。また、工場立地の環境等にあわせ、エアジェットルーム製織でのご提案も可能です。

アウトドアの冒険へ

トレッキング,キャンプ,マリンスポーツ。一大トレンドとなっているアウトドアレジャーですが、時に厳しい天候に晒されることもある自然の中での活動には、高性能な装備が必要です。津田駒の織機は、防水・防寒・軽量/携帯性などのアウトドア志向の性能と、洗練されたデザイン性とを両立する商品素材生産の場で活躍しています。

アウトドアスポーツギア(テント・シュラフなど)

登山をはじめとしたアウトドアスポーツのギアには、嵩少・軽量による携帯性の良さと耐久性の高さといった相反する性能が求められます。津田駒はその要求を高次元で満たす素材の製織に寄与します。

パラグライダー

ヨットのセイル

TSUDAKOMAは、
タテ糸準備工程から資材織物製織をバックアップします。

津田駒は、ワーパ(荒巻機),サイジングマシン(糊付機),ビーマ(巻返機)といった、経糸ビームの準備機械も販売しています。織の前工程である経糸の準備は製織の成否、品質を左右する重要な要素です。ビームづくりの段階から製織まで、トータルでお客様をバックアップいたします。

資材織物をターゲットとした場合、経糸準備機械においても織機と同じように、一般衣料向けとはまた異なった仕様が求められることがございます。もちろん津田駒は経糸準備機についての特注ご要望にもお応えします。

たとえば、太目の合繊糸、さらにはそれがモノフィラメント糸であればなおのこと、一般的なビーマには備わっていない巻取部プレスロールが必要となることがありますが、標準型とは別タイプの巻取ヘッドフレームを用いてお応えすることが可能です。ビーマについて付け加えるならば、最大巻取張力を10,000 N,15,000 Nといった高張力に設定可能な仕様もご用意できます。

既製品の枠におさまらないご要望を津田駒へご相談ください。


商品については 株式会社T-Tech Japan へ

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